いまどき教育現場への政治家介入事案かとびっくりさせた、自民党文科部会長で元文科政務官の
赤池誠章参議院議員と部会長代理で比例東海選出の
池田佳隆衆院議員が、文科省に前川前文科省事務次官による名古屋市内の公立中学での授業に関して照会したとされる件は、どうもそんなに高尚な話でもなさそうな臭いがしてきました。
というのも、赤池議員は報道陣の取材に対して
文科省へ照会したことを認めたうえで「
圧力にはあたらない」、「
各省庁への事実確認は日常業務。圧力と感じるのであれば国会議員は仕事ができない。。」と説明したと
毎日新聞は伝えていますが、どうもそんな
政治活動の一環という
尤もらしい話でもなさそうな雲行きになってきました。
安倍首相にとって天敵とも言えるほどの論陣を張っている2018年3月21日の
日刊ゲンダイディジタル版は、「
この(照会 引用者加筆)背景でささやかれているのがセコい“ヤッカミ説”だ。」と報じ以下のように続けています。
「実は前川喜平さんが名古屋市内の八王子中学校で講演(公開授業)をした翌2月17日、自民党文科部会長で元文科政務官の赤池誠章参院議員の講演が同じ愛知県内で開かれたのです。ところが、地元紙の扱いは前川氏の講演の方が大きかった。これが一因となって自民党文科部会のトップの赤池部会長とナンバー2の池田部会長代理が文科省初等中等教育局に執拗に照会、質問内容の添削までしたのではないかと囁かれているのです」(永田町事情通)
確かに、前川氏が名古屋市立八王子中学校で授業をした翌17日、自民党愛知県連主催で愛知政治大大学院では、赤池氏が「わが国の教育問題について」と題する講演をしていたことは
愛知政治大学院のサイトからも確認されています。
そして、この赤池氏の名古屋講演があった日の様子を東京新聞が伝えています。
(文科省大臣の)林氏や赤池氏によると、前川氏の授業があった二月十六日の翌十七日、赤池氏が愛知県を訪問した際、池田氏から授業に関する中日新聞の報道を知らされた。赤池氏が同日、藤原官房長に「法令違反をした人が教壇に立てるのか」と事実確認を求めるショートメールを送ったところ、十八日に「対応します」との返信があった。十九日には池田氏も新聞記事を同省に提供して問い合わせた。二十日には自民党総務会でも高橋道和(みちやす)初等中等教育局長に確認した。
こうした経緯iがあって問題の照会文がメールで送付されたわけですが、その後それを見せられた赤池氏は次のように語ったと
東京新聞が伝えます。
記事を確認した文科省は質問状を作成。池田氏のチェックを経て、名古屋市教委にメールで送った。赤池氏がメールの内容を確認したのは送信後だったといい、内容を知って驚き「やりすぎだ」との懸念を文科省に伝えた。
しかし、時すでに遅し。覆水盆に返らずです。
この事案に初めて接したとき、「
そうか、議員ともなれば、地方紙にも毎日ちゃんと目を通しているんだ! さすがだな。」と、ある意味で感心さえしたものですが、そうではなかったようでまたしてもがっかりです。
赤池氏の講演に池田議員も同席していたのですから、地元紙がどう報道するかが気になったのもムリはありませんが、文科省への照会の裏には、この二人の議員が抱いた
前川授業の方が大きく取り上げられていたのが気に食わなかっただけという子供じみた劣等感が見え隠れします。
一部政党を除く野党の中には、この議員たちの国会での
参考人招致を求めることにしたようですが、もはや彼らによる
文科省への照会が
議員としての日常業務などではなく、
自らの影響力の小ささに焦ったが故の大人げない行為であって、とても政治家のそれではないと断言できそうです。
なお、赤池氏は議員になる前は地元山梨県の
学校法人日本航空学園が運営する
日本航空総合専門学校(あのJAL日本航空とは関係ありません)の学校長を務めていたとされていますが、この日本航空学園も
森友学園と同じように国有地が8分の1の格安で払い下げされたのではないか、との疑惑を抱えています。
この甲府市郊外にあって航空整備士などを養成するのが目的の日本航空学園については縁あって少々知見がありますが、実はこの学園、教育勅語に深く感銘を抱く梅沢重雄氏が理事長を務めていることも森友学園と似ていますが、こちらの国有地を取得に関する
毎日新聞の報道はこちらです。
昨日の参議院予算委員会で自民党の和田正宗議員が野党を牽制するためにか少々引用しました。
しかしまだ、中央政界で大きな話題にはなっていませんが、いずれ国会を揺るがす事件に発展する可能性はあります。強烈な
安倍チルドレンの一人とされる赤池・池田両氏ですが、次から次と問題が明かされる安倍政権の今後いったいどうなりますやら。
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