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塾に横文字に絶好調の小池百合子劇場 果して成果は?

 自らの人気と知名度を読み違えて立候補した揚げ句に開いた口が塞がらないほど都民を愚弄した選挙活動で墓穴をまさに掘った鳥越俊太郎氏や、公示直前に自民党公認で立候補した増田寛也元総務相氏を退け、都知事選でトップ当選を果たした小池百合子知事でした。

 彼女に票を入れなかった私なども前任者のあまりの酷さに彼でさえなければ誰でも、といった開き直りの心地でしたが蓋を開けて見れば何と、都議会のドンや自民党幹部を手玉にとるかのごとくの立ち居振る舞い。
 石原元知事に端を発する「よきにはからえ」式の責任者不在・公費濫用の殿さま都政に辟易しするあまり、少々のことは大目に見る覚悟をとっくに決め込んでいた都民にとって、小池知事の誕生は望外の希望の星とも写ったものです。
 ところが、不幸にも前任者や都庁幹部の信じられないほどの不作為のおかげで小池女史は、知事就任早々、築地市場の豊洲移転問題ばかりか4年後に控えた東京オリンピック2020の会場問題までをも抱え込むに至っては、知事選の公約であった電柱地下化・満員電車解消といった主要政策課題の実現に早くもブレーキがかかりそうな雲行きになりました。

 そのうえ、ここにきて3000人にも及ぼうという前代未聞の塾生を集めて自ら主宰する政経塾 希望の塾を立ち上げたとあっては、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことを指すのでしょうが、小池百合子という政治家に彼女が都知事選で掲げた公約に都民ファーストに意気を感じて1票を投じた向きも少なくないでしょう。
 そうした都民からは、政治塾もいいけど機能しなくなった都政の立て直しにもっと力を注いでよ、の声が聞こえそうです。

 他方、オリンピック会場問題で建設費や経費縮減に意欲的な小池都知事はまた、得意(?)の外国語能力を駆使してIOC関係者など海外要員と、ときには通訳抜きのヒソヒソ話を行う場面さえもがメディアによって日々伝えられていますが、これを以て東京都の行政責任者としての務めを果たしているのかというと、ここにもいささか疑問があります。
 多くの都民はもちろん彼女のブレーンといえども、海外各国の来訪客が発する言語を正しく理解できる人は多くないとみるのが妥当で、その意味で「都民ファースト」の視点を重んじているのかが疑問です。

 今度こそはと彼女に期待を寄せる都民にとって、わけの分からないクルージングや各種視察旅行に時間とお金をつぎ込んだとされる前任者たちと違って、もっとましな政治家像が期待されているのですから、海外要人と何を話しているのか、日本人である都民が才覚に理解できる形で伝えるべきでしょう。

 加えて彼女のプレスなどメディア対応に、気になることもあります。
 それは多くの日本人にとって一般的でさえなく、しかも一義的な理解が及ばないような外国語を多用する傾向が強いことです。
 もし彼女に都民の代表たる自覚が根本にあるなら、その意思の表明や結果の報告が幼児からお年寄りまでその国の言葉で正鵠に理解できるフォーマットでなされるべきでしょう。 

 要は責任ある立場の発言は、公のものでなければならないということ。
 なまじ外国語が話せるから外国語で応じればいいいうレベルではなく、為政者として誰を代表するのかを忘れないことが肝要です。
 私の少ない経験のなかでも、このことはなまじ外国語が話せるという企業や各組織の要人にも相通じることだと思いますから、改めて心したいものです。 

 こう俯瞰して見ると、いまのところ人気絶好調の小池百合子都政ですが、わたしはその行方を疑問視しています。
 彼女が掲げる東京の抱える政策課題実現の必要性を必ずしも否定するものではありませんが、電柱地下化や電車の混雑緩和政策など、どれ一つとっても都知事だけで解決できるようなたやすい案件ではありません。
 JR各社はじめ多くの相手と協同してこそ、政策実現の可能性が開けてくるのですが果して....
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