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大川小訴訟 賠償はともかく教師の責任は重大

 東日本大震災で発生した地震に続く津波によって甚大な被害が発生した宮城県石巻市・大川小学校。
 


 被災当初から教師の避難誘導の拙さは指摘されていましたが、津波で亡くなった23人の児童の遺族19家族が、市と県を相手に総額23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が先月10月26日に行われ、仙台地裁(高宮健二裁判長)は、学校側の過失を一部認め、14億2600万円あまりの損害賠償を命じました。
 この判決を巡って、29人の議員からなる市議会は市が提出した控訴関連議案を6票差(欠席1人)で可決したほか、宮城県知事もその後控訴に賛成する見解を表明しました。
 同一会派内でさえ賛否が割れるなど難しい判断を迫られた市議会では、二人の共産党所属議員も「亡くなった先生方の過失とするのは酷だ」との理由で賛成票を投じたとされています。

 一方で、避難を開始するまでに約50分もの時間、児童を校庭に集合させたままにしていたとの指摘もあり、たとえ想定を超える津波であったとしても、警報が出た段階で速やかな垂直避難ができていれば多くの命が救われた可能性があります。
 校長が出張で不在だったことも重なり、避難に時間がかかった事情も理解できますが、その場に居合わせた教師の責任は明らかです。

 かけ付けた保護者や児童たちと避難先を巡るいくつかの議論があったと報道されていますが、学校が管理している時間帯での避難に教師に引率の責任があることは自明です。、
 そして、結果的ではありますが、この惨事の原因がすぐ近くの裏山に登る避難案に代えて、より津波の進行方向に近い場所を選んだ結果であることを考えれば、児童たちの命を守るためのより的確な判断がなされなかったことは教師全体の不作為として指摘されなければなりません。



 避難する一行の最後尾にいて辛うじて助かった一人の教師以外すべてがこの惨事で殉職していることを併せ考慮しても、このような災害の再発を防ぐためには、責任の所在は少なくとも明確にすべきです。
 ただ、彼らも現場でさんざん悩んだ結果の判断が招来した惨事ですから、刑事事件による賠償責任までをも要求するのにはさすがに抵抗があります。
 ここはむしろ裁判で黒白を決するのではなく、自然災害として国家による賠償という形で遺族への補償を考えるべきではないでしょうか。
 
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