私はマンション管理組合の理事長職を預かっていますが、その立場からマンションを選ぶときのポイントを整理してみます。
私がこのマンションを購入した最大の理由は、家族構成に合致する部屋数と交通の利便性でした。
その後、管理組合役員を預かるようになって管理組合の経営(?)に携わるようになってからは、マンション管理の良し悪しを内側から実際の管理指標として見ることができるようになりました。
これらの視点が、これから新たにマンションを購入しようとする方々への参考になれば幸いです。
今回は、まずマンション構内にある駐車場を取り上げます。
クルマを持たない人にとって、これから購入しようとするマンションの駐車場には興味がないかも知れませんが、実はそうではありません。
マンション駐車場は管理組合にとって大きな財源です。
したがって、もしマンション駐車場に空きスペースがたくさんあるような場合は、管理費会計収入に不安がある証拠と言えますから、注意が必要です。
仲介不動産業者が駐車場管理の実態を把握していない場合は、管理会社などに直接確認することをお勧めします。
マンション駐車場は、管理組合にとって管理費収入と並ぶ重要な収入源の一つです。
当管理組合の収入の内訳は、以下の通りです。
- 組合員からいただく管理費
- 資源ごみ集団回収による自治体からの補助金
- 駐輪場・駐車場賃貸料金
このうち駐輪場収入は駐車場料金に比べると金額的に少ないので駐輪場に着目しますが、その金額は年間500万円以上と、管理費会計収入の実に3分の2以上に相当します。
マンション駐車場の主な利用者は管理組合に加入している人、つまり区分所有者や賃貸契約による居住者です。例外的に、部外者の利用を認めているケースもあるようですが、このように駐車場使用料が管理組合にとって収入と見なされると税法上厄介なことになる可能性も否定できませんので、当組合では利用者を原則居住者に限定しています。
近隣の新しいマンションでは立体式駐車場が増えてきましたが、当管理組合の駐車場はいわゆる平置き式なので年間の維持管理費用はゼロですから、駐車場収入はそのまま管理費会計源資となっています。
これまでのところ全駐車スペースから賃貸料金をいただいていますが、若者世代のクルマ離れなどで今後もし長期の空きが生じることになれば、それは即管理費収入の減少につながります。
また、気に入ったマンションの駐車場が立体式だった場合には経年劣化や排水設備更新のための(かなりな金額の)費用を定期的に計上しなければなりませんから、駐車場構造にも留意する必要があります。
2016-01-11 15:49
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