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どこかおかしい政府主導のホワイトカラーエグゼンプション

 ホワイトカラー・エグゼンプションと聞いて、およそ10年ほど前に慶応大学の清家篤教授が、ホワイトカラーの生産性向上の一策として提唱していたことを思い出します。
 実際、日本生産性本部で氏から直接講義を受けたこともあります。

 しかし、ホワイトカラー・エグゼンプションを政府が政策課題として主導する必要があるかどうかは、大いに疑問があります。
 要は企業などの組織が労働協約の中で、それぞれの実態に即した条件で労使と協定し、実行していけばいいだけのことです。

 ホワイトカラー・エグゼンプションの対象についても、「課長補佐」以上とか、「高度な専門職」とかと報道されていますが、職掌や専門職の定義などは企業によって一定ではありませんから、このような形で設定すること自体に無理があります。

 米国のご機嫌取りのために集団的自衛権を持ち出したかと思えば、経済界におもねるかの如くホワイトカラー・エグゼンプションを持ち出した政府ですが、まったく思いつき政策で、私には無用な議論に時間を費やしているようにしか見えません。

 ホワイトカラーの生産性向上の必要性は私も認めますが、残業代を削れば改善するような問題ではありません。
 もともと、こうした層の方々の多くはは、時間外勤務の扱い自体がない管理職だからでもあります。

 時間外勤務には割増の手当てが支払われることになっていますから、労務費全体に占める割合は決して低くはありませんが、それは個々の組織で解決すべき問題です。

 世間では経済が活性化しつつあるという楽観的な見方もあるようですが、円安や消費増税など政府が手を打つべき課題は集団的自衛権自衛権のほかにも山積しています。

 ホワイトカラー・エグゼンプションなどに時間を浪費しているヒマはないはずです。
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