メニューに表示されている食材と実際に使われている食材が異なっていたという話は、大阪の有名ホテルだけでなく全国のホテルのレストランで、次から次へと拡がっています。
以前、問題になったのは船場吉兆という有名な料亭でしたが、このところ露見するのは知る限りすべてホテルの直営または経営を委託したレストランです。
実は、この
ホテルのレストランというのが、一つのキーワードではないかと思うのです。
まず考えられるのは、ホテル経営者の目がレストランにまで及んでいないため管理がいい加減になるのではないかということです。
阪急阪神ホテルズもそうでしたが、鉄道事業を展開する持ち株会社が合併・統合によって傘下に入ったホテルに、厨房はもとよりホテル経営の経験のない経営者を送り込んでいました。
彼らにとって、自分のレストランで使われるエビが芝エビであろうと何とかエビであろうと、ホテル経営にとって大したことだという意識はもともとなかったのではないでしょうか。
集客や原価にだけ目が行って、レストランのメニューなど眼中になかのでは、と思います。
辞任会見ではやや神妙な姿勢を見せた社長も、最初の会見では他人事のような口ぶりでした。
さすがの親会社も見かねて、本体にまで影響が及ばないうちにと諭された挙句に辞任したのでしょう。
もうひとつは、ホテルの厨房で働く方々の立場が弱いからではないかと思います。
ドラマでしか知りませんが、私の想像では厨房の方々はある種の職人さんで、失礼を承知の上で言わせていただけば、労務管理や企業現場でイロハの
報連相などとは無縁な世界で修業を重ねてこられたのだろうと思います。
上から押し付けられた原価で、かつ所定の利益を出そうとすれば、必然的に看板とかけ離れた実態なろうことは、容易に想像がつきます。
親の誕生日など年に一度か二度、有名ホテルのレストランに行っていつもより高級な料理を楽しみに訪れるお客の心理など、これら素人経営者には分からないのでしょう。
そのことは、リッツ・カールトンの外国人社長の会見の弁に如実に表れていました。
彼は、原因は「ミステイク」だとしながら、続けて「日本人の食文化」のせいで騒ぎになったと公言しました。
まさに、「郷に入れば郷に従え」のたとえに真っ向から反する姿勢ですが、こういう訳の分からない外国人経営者には「ゴー・ホーム」と言ってやりたくなります。
2013-11-01 15:33
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