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棚田は日本の財産 おいしいお米ここから生まれます


 安倍首相は、TPP交渉参加に関連して「日本の原風景である棚田を守る」という意味の演説をさかんにしていました。 
 たしかに棚田は、段々畑と並んで狭い日本の国土を最大限利用していることの象徴のように見えます。
 子供の頃、山あいの畑で手伝わされた記憶は鮮明に残っていますが、育った家が農家でなかったため私にとって棚田の記憶は母の実家と繋がります。

 母方には職業軍人だったただ一人の男兄弟の叔父がいましたが、彼は戦犯としての務めを終えて帰国した後、零細農家の後継ぎを嫌って千葉県に移り、残された祖父母は山の急斜面に開墾されたジグソーパズルのような形をした典型的な棚田や段々畑で、お米のほかサツマイモや大根など自分で食べるだけの農業を営んでいました。
        
 魚沼産コシヒカリは、長い間おいしいお米の代名詞として使われてきましたが、最近では熊本産の森のくまさんなど、新しいブランド米も現れ独壇場ではなくなりました。
 他県生まれの家内は、私の実家・新潟県魚沼市で食べたお米の味にはすごく感心したものです。
 おかげで、いまでも生協のコシヒカリなどかなり高いお米を買い求めていて少々困り気味です。

  しかし、一口に魚沼産コシヒカリといっても等級によっていろいろあります。

 私も大学に入って学生食堂で初めて食べた丼ご飯の味に驚いたものですが、食にたいして関心がなかったためか気にもしませんでした。
 コシヒカリ特に故郷魚沼のそれがブランド化して、高値で取引されるようになったのはその後です。

 おいしいお米が生まれる理由でよく挙げられるものに、清冽な水と昼夜の寒暖の差が大きいこと、つまり気温差があげられます。
 もちろん、この他にも肥料や田植えから収穫までの作付け期間なども大いに影響すると思いますが、生まれ故郷の風景を思い出しながら考えて気づいたことがもうひとつありました。

 それは、棚田です。
 棚田は、耕すにも機械を入れることができないため非常に手間がかかりますが、その反面平地の田んぼには得られないにはない大きな特長があります。
 山や丘の中腹にある棚田はその向きに関係なく一日を通じて昼夜の気温差が大きいことと、生活排水や廃棄物やゴミと本質的に無関係なことから極めて良質な水に恵まれれていることです。
 さらに魚沼地方のような豪雪地帯では、天然のダムによって夏場でも雪解け水が豊富に流れ込みます。

 つい最近「おいしいお米日本一」になった森のくまさんも熊本の球磨川流域で栽培されていますが、この場所も棚田が備えているおいしいお米が獲れる要件を満たしています。

 生まれ育った魚沼の農家の田んぼは、傾斜のきつい山間地に多いうえに狭いという共通点がありました。
 小型の耕運機くらいしか使えませんが、その代わりある程度生育しても欠かさず草取りをしていたものです。

 もちろん、ドジョウだけでなくカタツムリやタニシなど文字通り水生生物の宝庫でした。
 それに、バッタやイナゴそうした昆虫の棲家でもありました。

 棚田は日本の原風景とよく言われますが、そればかりでなくおいしいお米を育んでくれる貴重な財産です。

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