出版大手の秋田書店が雑誌の懸賞で、賞品の発送を以って当選者発表に代える旨の記述をしておきながら送っていなかったり、偽名を掲載していたと報道されています。
当の秋田書店側の反論も支離滅裂で、どれが信用に足るコメントなのか呆れるばかりです。
秋田書店だけでなく、この「賞品の発送を以って当選者発表に代える」という懸賞は、個人情報など尊重される気配が微塵もない昭和の中頃からありましたが、予告した数の通り当選者に発送されていると思ったことは一度もありません。
誠実に処理しているなら、当選者名を発表しないで発送に代える必要などまったくないからです。
詐欺とまでは言えないにしても、不実記載はもちろんですが善意管理義務を怠っていると指弾されても不思議はないと思います。
秋田書店のホームページにメッセージと題するコメントがあります。
「秋田書店は創立者故秋田貞夫が、戦後間もない世情騒然とした昭和23年に「日本の子どもたちに正義の精神と夢の世界を取り戻し、希望を与えよう」と出版を志して、月刊誌『冒険王』を創刊して以来、少年・少女漫画誌を中心に創立の志を忘れず、出版社の使命と責任を果たすべく、努力しております。」
(原文のまま引用)
よくあることですが、秋田書店も創立者が目指した姿とは相当かい離してしまっているようです。
賞品を誠実に処理しなかったこと以外に、秋田書店については気になることがあります。
社告によれば、同社は今回の騒動に関する一連の責任すべてが、元社員の女性にあると主張し、事実関係を裁判の過程で明らかにするとしていますが、社会的な責任をどう全うするのでしょうか。
仮に、この女性が同社の信用を失墜させたことが事実だったとしても6年も前からこの状態だったそうですから、その間職場の上司や部門の管理者は何をしていたのでしょう。
普通に管理された職場なら、こんな単純なサボタージュが露見しないはずはありません。
たかだか、雑誌の懸賞賞品とはいえ、組織全体の姿勢と社会的責任が問われていると思います。
しかも、有名人の名前を適当に組み合わせて発表したとされる媒体は、誰の目にも留まる公の出版物です。
内部告発がなされた時点で、問題はすでに社外化しています。
私企業にありがちなことですが、コンプライアンスも含め顧客や社会の目を甘く考えている企業にとってこれからの道は険しいものになると思います。
2013-08-25 15:25
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