公団の団地から
中古マンションに移り住んで15年あまり、この5,6年間
マンション管理組合の理事長を務めています。
連続して務めるべきではないことは重々承知していますが、まったくの
ボランティアで引き受けてくれる人が少ないので、ついつい長くなってしまっています。
ご他聞にもれず築40年を越えるマンションですから、あちこち弱っていました。
管理組合がいちばん心配していたのは外壁のタイルです。
このマンションは昭和40年代後期に建てられましたから、一枚一枚のタイルをモルタル下地に貼って仕上げらえています。
ご存知のようにコンクリートも四季と昼夜の温度変化によって伸縮を繰り返しますので、表面のタイルが次第に浮いてしまうことは避けられません。
そういうわけで、もっと長くなることもありますがおよそ10年周期で実施する大規模修繕工事において、このタイル補修工事は定番メニューのひとつです。
補修の方法は概ね一つだけ、笹子トンネル天井板崩落事故ですっかりおなじみになった打音検査で浮きが発生している箇所を特定したのち、その部分の要所をドリルで穿孔して接着剤を充填するものです。
このマンションも、同じ方法で過去何回も補修を行って来ましたが、タイルの浮き発生箇所は毎回増えるばかりでした。
見積を依頼した会社が予備的に実施した打音検査の結果を見ると、浮き発生が激しい箇所は昼夜を通して温度変化の大きい場所であって、そこを中心に長期的に拡がっていく傾向が何となく感じられました。
ところで、マンションの南側は、道路に面していて上階壁面は道路斜線かセットバックのためか斜めになっています。
実は、ここがいちばん浮きの激しい箇所だったのです。
何社か見積をお願いしたなかで、1社から
外壁タイル全面剥離後再塗装という提案がありましたが、他社から「剥離するときの騒音は近隣には耐え難いほどですよ」とのアドバイスがあり、さもありなんとこの案はボツとなりました。
地震などでタイルが崩落して第三者に被害が発生すると、管理組合が責任を負うことは管理会社への質問に対する回答で知っていましたから、大規模修繕まえの理事会では単なる接着剤での補修工事はもはや無意味との結論に達しました。
そこで、採用されたのはピンネット工法というタイル補修工事でした。
既設タイル面に貼ったガラス繊維のネットをタテヨコ一定の間隔で打ち込んだステンレスピンで固定し、モルタルで固定する工法です。
ただ、浮きの激しい箇所のタイルだけは剥離・再塗装との仕様でタイル面補修工事の仕様がおおかた決まりました。
2013-07-13 18:27
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