このたびの米国大統領選挙、文字通りの番狂わせといっていい結果に終わりましたが、国内どのメディアも自らの事前報道と真逆の結果になったことについて何のコメントも発していないようです。
国内世論をミスリードしてきた自らの責任について口を閉ざしていながら、一方で10歳の子供に関する報道を含めトランプ家の様子を面白おかしく報道しているさまは、メディアの良識が疑われるというものです。
ヒットラーの時代に生きてはいませんでしたが、その再来を彷彿とさせるような時代錯誤的発言を2年近い選挙期間中繰り返したばかりか見境いのない汚い言葉で対立候補を罵ったトランプ氏が米国大統領選挙で当選しました。
いかに外国のトップとはいえ、世界秩序においてだけでなく戦後日本の進路決定に深く関与してきた米国大統領を選ぶプロセス、その去就には多くの日本国民が耳目を寄せたことでしょう。
米国内でどう報道されていたか詳しくは知りませんが今回の米国大統領選挙期間中、少なくとも日本のメディアでは本命と目されたクリントン氏ばかりを中心に報道され、一方のトランプ氏の人となりを茶の間の視聴者に客観的に伝えることのできる人物の登場は皆無でした。
すべてといっていいほど国内メディアは、トランプ氏の聞くに堪えない暴言シーンや、その風貌だけをクローズアップ画面で面白おかしく繰り返し見せるることで泡沫候補として視聴者に印象づけた結果、クリントン候補はトランプ氏と同じ土俵に引き込まれ、本来アピールすべき肝心の政策論争にまで至らなかったというのがわたしの印象です。
最近しばしば耳にする言葉のなかでも、
メディアの劣化が気になっています。
他の先進国では例がないほど日本では報道内容に政治が頻繁に介入していますが、その影響か否かはわかりませんが、NHKはじめ各報道機関は米国をはじめ各国に支局を持ち取材スタッフを常駐させているにもかかわらず、その報道はともすると現地メディアが伝えることに偏り、独自の調査取材がおろそかになっている結果ではないかと危惧しています。
メディアには、権力とつねに距離をおき国民の知る権利を保障する役割を再確認することを期待します。
2016-11-13 19:10
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