和歌山で先日発生したピストルによる殺傷事件の異様さは、これまで経験したことのないものでした。
容疑者が両手にピストルを握っているという光景iは、姿こそ違えさながら西部劇のようでした。
この男が手にしていたのは素人目にも自動式ピストルとわかる銃でしたが、そこで気になるのが入手経路です。
わたしはかねてからドローンの重大犯罪に悪用される可能性を危惧していましたが、この光景を見て改めてその思いを強くしました。
高性能ドローンの例
価格が20万円台の空撮用ながら多目的応用可能なこのモデルの場合、主要な性能はこのようになっています。
- 重量:1380g
- 最大速度:20m/s(スポーツモード)
- 航行可能限度高度:6000m
- 最大飛行時間:約28分
その性能の高さに驚きます。
標準でこれだけの性能だすから、万一悪意をもってモーターやバッテリーをパワーアップしたら、と恐ろしくさえなります。
現在、ドローンについての法規制はつい最近急きょ制定された小型無人機等飛行禁止法だけです。
同法では「爆発物など危険物を輸送しないこと」、「無人航空機から物を投下しないこと」が規定されていますが、犯罪を企てる者がこうした行為を実際に行ったとして探知する技術や能力が備わっているか甚だ疑問です。
たとえば、覚醒剤など禁止薬物。
よく噂レベルで耳にするこれらの運搬には現在船舶が使われているそうですが、その代わりに目立ちにくいドローンが悪用される可能性はないのでしょうか?
ドローン一台の航続距離はせいぜい10キロ程度かもしれませんが、これを駅伝リレー式に応用したらどうなるでしょう。
また、拳銃程度の貨物なら多少偽装してでもドローンでの運搬はいまでも十分可能だと思います。
ましてや、ドローンについては宅配大手が実用化を試行したり農薬散布への実用化の動きなど、こぞって官民挙げて応用拡大の方向に舵を切った感のある今日、ドローンをこの程度の規制で放置していいものでしょうか?
わたしはドローン自体への規制はもちろん運用者にも免許制などの規制を加えるべきだと思います。
子供のおもちゃ程度のドローンが夜間長距離飛行できるとは思いませんが、悪意をもって改造すればいまだって不可能ではありません。
左の写真のドローンは通販サイトで流通しているものの中では中クラスのモデルですが、それでもGPSセンサー装備・最大飛行時間約25分と表示されています。
将来の有用性が期待されるドローンですが、一定以上の性能を有する機体については、個体識別のための規制も必要ではないか。
例えば、飛行中は必ず決められた周波数の電波発信や、位置識別のためのGPSセンサ搭載のなどを義務化する等、広範に普及する前に間違っても犯罪に悪用されないための対策が急務だと思います。
2016-09-02 10:00
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