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バナメイエビ偽装騒ぎで名前が知れ渡り

エビ・カニ類の増養殖―基礎科学と生産技術

 食品偽装問題で、迷惑しているのはホテルやレストランを利用したお客さんばかりでなく、地上の騒ぎをよそに海や川の底でじっと黙っているバナメイエビブラックタイガーでしょう。
 ブラックタイガーは日本でも以前から知られていましたが、バナメイエビのは最近の偽装騒ぎですっかり有名になってしまいました。
 彼らは伊勢エビやロブスターには図体でかないませんが、市場での取引価格が安いからという理由だけで、似たような芝エビやクルマエビよりもさも価値が低いかのように連日取りざたされていますが、たまったものではありません。
 耳があったら噴飯ものでしょう。

 東南アジア地域で養殖されて日本に運ばれてくるバナメイエビは、もともとアジアに生息しているエビではありません。
 普通のエビが、海底の砂で生育するのに対して水中で泳ぎながら生育するという容積当たりの養殖密度が高いことと、生育期間が短いことからコストが低いためタイなどで養殖されるようになったエビです。
 しかし、このところ養殖エビ全体にEMS(Early Mortality Syndrome)という生後まもないエビが死んでしまう病気が流行していて、エビの市場価格は世界的に高騰しています。
 
 そんなに貴重な食材でありながら、一番怒っているのは彼らバナメイエビに違いありません。
エビ・カニ類の増養殖―基礎科学と生産技術

 それにつけても、この国のメディアをはじめとするノーテンキさには呆れてしまいます。
 食品偽装も果ては生命にかかわることですから決してないがしろにできる問題ではありませんし、お客をお客とも思わない商売人に明日はないと懲らしめるのも大切ですが、クルマえびや芝エビが実はバナメイエビだったとしても、これほどにも新聞もテレビも競って連日トップニュースで伝えるようなことでしょうか?
 私は疑問です。

 食したら具合が悪くなるような食材が使われていたのならともかく、みんな一度は納得して腹に収めた過去の話です。
 
 私たちも、もっと視野を広く持つ必要があると思います。
 来春からの消費増税と、さっぱり内容が見えないTPP交渉、おまけに減反廃止提言などなど喫緊の課題が山積しているなかで、ろくに食べるものさえないシリア難民の現実が新聞の国際面で伝えられているにも関わらず、この程度の話題で連日盛り上がっていることを、諸外国に知られたら、恥ずかしいことです。 

世界のエビ類養殖―その基礎と技術

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