メディアでクローズアップされた、開花が遅れそうな河津市の河津桜に使われた開花促進剤は、日本カーバイド工業のシアナミド液剤CX-10であった。
このシアナミドは商品名ではなく物質名で、ナシやブドウ、サクランボなど主として果実の休眠打破剤・萌芽促進剤として開発されその目的に利用されている農薬だ。
一方、医薬品としてはアルコール中毒症用の治療薬として使われていて、日本では毒物及び劇物取締法で毒物に指定されている。
桜のように開花のメカニズムがある程度解明されている植物に、人工的に開花を促すとはとの思いで調べてみたのだが、散布後完全乾燥すりょうな気候条件を遵守するとか、散布するときにはきちんと防具を装着するなどの管理が徹底していれば大きな問題はなさそうなことがわかった。
とはいえ、いささか疑問は残る。
サクランボやナシ、ブドウの収穫は農家にとって最高の命題。それはよく理解できるが、桜の木に、その理屈を当てはめるのは、いかかがものか。
少し、考えて見たい。
2013-03-18 18:03
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